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2020.11.7

第3話「天田太郎です。名刺代わりに話します。の続きの続き」

enpitsu

天田 太郎

代表取締役社長、元お笑い芸人

米国・オハイオ州立大学経営学部国際経営学科卒。大学卒業後、テレビ番組制作会社に入社。映像ディレクターを目指すが、父が起業した当社の経営がバブル崩壊の景気後、悪化。経営を立て直すために転職し、不動産広告を中心とした事業の軌道修正に成功する。しかしその後、リーマンショックにより再び経営の危機に。そこで、これまでの不動産広告事業だけでなく、当時ブームになりつつあったマラソンをはじめとするスポーツをもうひとつの業務軸にするべく「東京マラソン」などの仕事を受注。以来、マラソンをはじめとするスポーツイベント運営などを通じ、地域と人をつなげる社会貢献活動も精力的に行っている。また、外部講師として企業の採用活動サポートなども手掛けるほか、広告・PRの視点での企業コンサルティング、企業ブランディング等を得意とし、大学では「自己ブランディング」というテーマで非常勤講師も行う。

さて、
父に「社長を替わってくれよ」と懇願され、
母に「家が担保だ」と涙され、
いやいや、「泣きたいのはこっちだわ!」
という状況で会社を継ぐことになった28歳の僕。

 

とはいえ、そんなすぐに会社経営ができるものじゃありません。
よって転職の新入りとして、まずは営業マンからスタートしました。

当時の弊社の売上の100%近くが不動産広告(マンションや戸建ての販売用の広告)が事業軸。
専門分野がはっきりしているので、そのことだけに集中して勉強すればいいのですが、
とはいえ用語など覚えることが山盛りでした。

勉強する時間はたっぷりありました。

だって、仕事がなくって「暇」ですもん。

今まで聞いたこともない
●専有面積
●区分所有者
●第1種低層住居専用地域
●構造躯体
●二重サッシ
という特別な用語。

それに加えて、
●建確(建築確認通知書)
●重説(重要事項説明)
●RC造(鉄筋コンクリート造)
●マケ(マーケティング)
のような略語。

それにしても暇です。

当時いた数名のデザイナーさん、
コピーライターさんには、申し訳ないのですがお給料が払えないので辞めていただくことになりました。

よって、
会社で暇しているのは、
社長である父、
僕、
そして今取締役になっている浅井ユキコ
と当時のデザイナー2名です。

 

みんなで掃除したりします。
でもすぐおわります。
席につきます。

暇です。

 

「太郎、飯でも食いに行こう」

しびれを切らした父が、そう切り出しました。
「飯」は食うのですがメインは別のところにあります。

パチンコです。

一万円突っ込んで負けたら終わり。
確変引けば「これで給料払ったるわ」とばかり、
トイレも行かず大仏のようにパチンコ台の前に座っています。

そんな日々でした。

ダメでしょ!これじゃあ!


仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!仕事がほしい!

そりゃそうでしょ! 
パチンコで給料払えるわけねえべ!


そこで父に冷静に提案しました。

昔からお付き合いのある不動産会社に、
頭を下げてとりあえず一つでもいいから仕事をいただきに行こう。

失敗したら、その時、考えよう。

まずは行動を起こそう。


それからというもの、父のツテを片っ端から拾い出し、
親子でご挨拶巡りが始まりました。

お仕事がいただけたのは僕が入社して半年後。
ようやく1物件、埼玉県の分譲マンションの広告の仕事をいただけたのです。

 

マンションの広告を制作するには大事なことがいろいろあります。

まずは立地をよく知ること。
そして物の良さ(つまりマンションの商品力)を知ることからはじまります。

僕は埼玉県出身。
立地に関しては土地勘があります。
しかもその1物件目は僕の実家に近かったため、
立地のメリット・デメリットは早く掴むことができました。

次に物の良さです。これがなかなか理解できない。

いただいた図面を見て、
現地に行ってここにエントランスがあって、
住戸はココとココ。庭はここにあって、駐車場はココ。

とにかく想像してみました。

それでもウリがわからないので、
周辺の競合物件を周り、パンフレットをいただいて、
何をウリにしてるかを勉強します。

しかし、毎日毎日図面を見てると、
だんだんだんだんわかってくるものですね。

その商品価値と、予想の販売価格を検証して制作物の準備をし、
「こういうコンセプトで、こういうデザインで広告を作ってみたいと思います」という提案の為のプレゼンテーションを行います。

僕が営業して、初めていただいた物件。
それなりに評価を頂戴し、パンフレットやチラシの制作が進みます。
チラシは新聞に折込ます。

その物件は立地上、工場の近くであったため、
販売のスピードは即完売というものではなかったのですが、
なんとか半年ほどで完売したと思います。

その間に次の2物件目をいただき、
お仕事がどんどん増えていくのです。


その続きは第4話でお話しましょう。

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