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2021.4.16

あれは忘れられない!! 僕の“教え子”の話

enpitsu

天田 太郎

代表取締役社長、元お笑い芸人

米国・オハイオ州立大学経営学部国際経営学科卒。大学卒業後、テレビ番組制作会社に入社。映像ディレクターを目指すが、父が起業した当社の経営がバブル崩壊の景気後、悪化。経営を立て直すために転職し、不動産広告を中心とした事業の軌道修正に成功する。しかしその後、リーマンショックにより再び経営の危機に。そこで、これまでの不動産広告事業だけでなく、当時ブームになりつつあったマラソンをはじめとするスポーツをもうひとつの業務軸にするべく「東京マラソン」などの仕事を受注。以来、マラソンをはじめとするスポーツイベント運営などを通じ、地域と人をつなげる社会貢献活動も精力的に行っている。また、外部講師として企業の採用活動サポートなども手掛けるほか、広告・PRの視点での企業コンサルティング、企業ブランディング等を得意とし、大学では「自己ブランディング」というテーマで非常勤講師も行う。

前回の更新から二ヶ月ほど経ってしまいました。
弊社、2月が決算期だったのですが、
新型コロナウィルスの影響でなかなか厳しい状況。。。

経営者らしく、必死にもがいておりました。

さて、前回までは、長くなりましたが細部に亘り、
自己紹介をさせていただきました。

お読みいただいた皆様、本当にありがとうございます。

 

今回はある企業からご依頼を受けて行った、
新卒採用に関するインターンシップのお話をさせていただきます。

 

話は2006年、15年前に遡ります。

一般的に大きな企業は4月に新卒者を迎えるため、
大学生は4年生になると面接を受けて内定をもらうわけです。

真面目な学生のみなさんは、大学3年生のときに、
各社で開催されるインターンシップに参加し、企業の内容や文化を知ります。

わたくしはある企業様の、新卒採用のホームページ制作を受注しました。

そこでご担当の方から相談を受けました。

「最近は大学3年生で
 インターンシップを受けに来ます。
 惹きつけられる、
 面白いコンテンツはないでしょうか?」


そこで僕がふと思いついたのが、

大学3年生に会社を「取材」をさせ、
雑誌の編集さながら、
自分たちで冊子のレイアウトから
記事の作成までをさせる

というもの。

刷り物にするためには、弊社のデザイナーも手伝います。

自分たちで作った冊子となれば、担当した学生達は、
友人などに「これ見て!」と広めていくことでしょう。

「……という、口コミ戦略って
 いうのはどうでしょうか?」


この提案にご担当者さん

「そうは言っても──、
 学生はそんなノウハウ
 持ってないですし、
 できますかね?」

といぶかしげです。

でも僕には自信ありました。

「僕が講師をします。
 仕事でやっていることなので
 得意です。

 コンセプトの立て方、
 取材や編集の仕方、
 原稿の書き方まで教えましょう」

「学生さん達には10日程通って貰います。
 じっくり時間をかけて
 ハードルの高い作業をしてもらうことで、
 自分を見つめ直すことにもなりますし、
 自信もつくはずです」


といういきさつで始まったのが、インターンシップの講師業です。

学生の多くは、就職活動に偏見をもっていると感じます。
それは、繕った自分をいかに良く見せるかであったり、
背伸びした自分をいかにバレないように演じるかであったり。

と言っている僕も、就活時、そう思っていました。

でも、本当は違うんですよね。

学生は今までの自分に向き合って、
いかに素の自分になって、
素直に自分のいいところを
企業に見て貰うかがとっても大事です。

この冊子は、読者が全員「同級生=就活生」です。

就職活動で悩んでいる同級生がターゲットですから、
まずは、

なぜ、就活をするのか
どんな仕事が面白いのか
どんな会社に行きたいのか
どんな人になりたいのか

を考え、さらに自分のこれまでを振り返り、

小学生だったころ
中学生だったころ
高校生だったころ
大学の3年間、、、

に何があったかを丁寧に思い出させます。

運動が得意だった
部活でキャプテンをやった
絵を書くのが好きだった
手痛い失恋をした、、、

などです。

人は様々な人生を歩んできます。

まずは自分に向き合って、
いいところも悪いところにも向き合って、
その中で自分の進みたい方向を見つけるために、
あこがれる先輩社会人を探して、
取材をして、原稿を書くことで、
人は感動するのです。

 

そんなインターンシップを
30人の大学3年生達に行いました。

正直時間をたくさん取られます。
普段やってる仕事より、効率は悪いかもしれません。

でも、この子達が将来、
日本のビジネスを支えていってくれると思うと、
とてもやりがいのある仕事です。

 

そのインターンシップの参加者で
見た目、実際の年齢+20歳の
老け顔をした子がいました。

みんなにいじられまくる
かわいいキャラです。

この子のすごいところは、
そのすべてのいじりに、
一つも欠かすことなく、
ツッコミを入れるところです。

こうなると誰もが面白がり、
男女問わずボケてきます。

そんな彼が一日目のインターン終了時に
ぼーっと会社に前で立っていました。

「どうしたの?」
と声をかけると、

「実は他のメンバーは
 このインターンで賞を取り、
 採用担当のみなさんに
 ごちそうしてもらえたんですけど、
 僕は何もないので、
 どうしよっかなーって思ってました」

そっか、じゃあ、俺と二人で飯でも食おう。

ということになり、それからです。

毎回、インターンシップが終わると、
他のメンバーも加わり、食事会。

馬鹿なことも、勉強になることも、
恋愛のことも、いろいろと話しをしました。

 

そんなこんなでインターンシップも3ヶ月ほどで終了。
それぞれが行きたい会社に行くのですが、

上記の老け顔くんは見事、
このインターンシップを開催した会社に合格しました。

 

しかしその後、、、

非常に優秀な子なのですが、
ちょっと会社でウマが合わなかったようで、
会社を退職するか残るかを悩んでいました。

そんなある日、相談を受けたのです。

「僕はこれからどうすべきでしょう?」

と言うので、

「お前のすごいところってどんなところだと思う?」

と聞いてみると、

「なんでしょう。いいとこなんかありますかね?」

日頃の仕事で自身を見失っていました。

「お前のすごいところはね、、、
 ゴマがすれるところなんだよ」

「ゴマするってなかなか難しいぞ。
 今のところでゴマがすれないなら、
 転職して、
 ゴマすりまくって、
 頑張れば偉くなれる」

「偉くなったら、
 俺の会社に仕事を出してくれな」

と冗談も交えてアドバイスをしたのです。

するとその後、
別の企業に再就職したという連絡がきたのです。

 

そして、そこで働き始めて一年後。
一本の電話が入るのです。

「太郎さん!
 この一年、ゴマ、
 すりまくりました!!
 そしたらなんと
 プロジェクトを
 任されるようになりました!」


嬉しいではありませんか。

 

出会いから14年が経った2020年。

その老け顔くんからまた電話がありました。

「太郎さんに、
 お仕事をお願いしたいです!」

きたー!!!


僕のたくさんのが教え子たちの中で、
クライアントになってくれた第一号です!

そんな彼にお礼をと思い、
弊社一階にある「amabar」という
おもてなしBARにご招待しました。

なんと彼は部下を3人も連れて登場です。

いやー、偉くなりました。

仕事いただきました。

こんな嬉しいことはなかったです。

 

人との出会いって、いろんなドラマがありますし、
支えたり、支えられたりしていくものなんですね。

 

老け顔のオマエ!
嬉しかったぞ!!

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