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2021.6.14

#14うちのアマダサン「怒っていても、笑えるアマダサン」

enpitsu

浅井 ユキコ

放送作家、コピーライター、編集・ライター

二十歳の時、放送作家事務所に所属し日本テレビ「高校生クイズ」などを担当。その後、活動領域を活字媒体に広げるべく広告代理店(株)エス・ピー・サービスに転職しコピーライターを学ぶ。さらに住宅雑誌では編集長を務めたことで、メディア(放送作家)、広告(コピーライター)、雑誌(編集・ライター)という3ジャンルに携わることができる異色の物書き。現在では自身が起業したライター集団(株)LOCOMO&COMOの代表と、社会貢献事業を行う一般(社)TERACO舎の理事を務めるなど、精力的に活動している。個人としては先祖代々ジャイアンツファンを語り、甲子園に行くために受験校を選択するなど大の高校野球好き。また、病院の病棟で看護補佐を行うなど何足ものわらじを履く意外性もある。

その日、アマダサンは電話口の相手に「怒って」いました。
今からもう10年ぐらい前のことです。

 

受話器に向かって怒っているそのお相手は、
取引をしている銀行の方でした。

「ですからぁ〜!
 こないだ話した件、
 どうなってるんですか?」

「え? 担当者は誰かって?」

「ちょっと待ってくださいよ?」

「お宅からは
 3枚がうちの担当です」

 

ここで注意があります。
「枚」という単位。
これは、ワタクシが聞き間違ったわけでも、
誤って表記したわけでもありません。
実際にアマダサンが使用した単位です。

「あ、もう1枚いる!
 いったい、
 何枚担当してるんだよ」

 

つまりアマダサン、いただいた名刺を見ながら
相手の方とお話しているんです。

イライラと怒りながら喋っているというのに、
「何名」ではなく、
名刺につられて「何枚」と言ってしまうあたり、
まったくもって可愛いではありませんか。

 

しかし、その怒りの矛先となった銀行の方も、
なかなか勘の良い方のよう。

「恐縮ですが、
 そのうちの一枚を
 お選びいただけますか?」

 

受話器の向こうから
銀行の方の声が漏れ聞こえます。

 

それに対しアマダサン、

「どれでもいいんですか?
 適当に選びますよ?」 

「じゃあ、●●さん。
 なんとなくの
 フィーリングで言ったんで、
 この人が担当かどうか
 知りませんよ?」

 

はたから聞いていると、
まるでトランプゲームでもしているようです。

アマダサンの手元には、
現在4枚のカードがあるようです。

「ありがとうございます。
 しかしながら●●は今、
 席をはずしておりますので、
 もう一枚
 お読みいただけますでしょうか」

「あぁ〜……
 じゃあ●●さんは?」

「申し訳ありません、
 ●●も不在でして……」

「●●さんもいないんですか?
 じゃあ●●さんは?」

「大変恐縮です、
 ●●も外出しております」

「じゃあ、●●さんしか
 残りがありませんけど」

「●●でございますか!
 よかった!
 それならおります!」

 

トランプゲームのババ抜きか、
はたまた神経衰弱か。
最後にやっと当たりを引き当てました。

「●●さんはいるんですね?」

「はい!おります!
 少々お待ちくださいませ」

「ちょっと待ってください。
 僕もう、
 出なきゃいけない時間なんです」

「あ、おでかけになる?
 せっかくなのに……」

 

本当に「せっかく」なのに。

「明日電話するって
 言ってください」

「明日でございますね?
 万一、明日お電話いただいた際、
 その者が不在でしたら……」

「最初からやり直すしかないでしょ」

 

なんでしょう、この会話。
関係のないワタクシは、笑いが止まりません。

それにしても、なんとも残念!
本日のゲームは終了。

そしてゲームだけで終わり、
肝心な本題は明日以降へと
先送りになってしまいました。

 

アマダサンはよく、ワタクシのことを
「ユキは天然だからなあ〜(笑)」
とおっしゃいますが、
アマダサンもときどき天然だということを、
ご本人はお気づきではないようです。ふふふ

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