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2021.6.17

#15うちのアマダサン「ある日の“物凄い”打合せ風景、、、」

enpitsu

浅井 ユキコ

放送作家、コピーライター、編集・ライター

二十歳の時、放送作家事務所に所属し日本テレビ「高校生クイズ」などを担当。その後、活動領域を活字媒体に広げるべく広告代理店(株)エス・ピー・サービスに転職しコピーライターを学ぶ。さらに住宅雑誌では編集長を務めたことで、メディア(放送作家)、広告(コピーライター)、雑誌(編集・ライター)という3ジャンルに携わることができる異色の物書き。現在では自身が起業したライター集団(株)LOCOMO&COMOの代表と、社会貢献事業を行う一般(社)TERACO舎の理事を務めるなど、精力的に活動している。個人としては先祖代々ジャイアンツファンを語り、甲子園に行くために受験校を選択するなど大の高校野球好き。また、病院の病棟で看護補佐を行うなど何足ものわらじを履く意外性もある。

「社長ってアレですわ!
 ジャイアン!!!
 あはは〜!
 似てるわぁ〜ジャイアン!
 うぅ〜乱暴ぉ〜(笑)」

 

もう、このセリフだけで、
今回の方向性はだいぶ見えたのではないかと思います。

 

お仕事を頂戴しているクライアント様の「社内」──つまり、

社員の方が静かに仕事をされている
「アウェー」の環境下なのに、

バカでかい声で発した言葉です

 

ちなみに、社内はシーーーーン。
誰ひとりとして笑ってくれた方はおりません。

ワタクシも凍りつきました。もちろん。

それに対し、言われた側の社長様は

「お前〜!(笑)
 誰がジャイアンだよっ!!

 俺がジャイアンなら
 お前のことは
 のび太って呼ぶからな!!」

 

と、おっしゃいました。

ノリのいい社長様の、ナイスなレシーブにより、
アマダサンの悪ふざけは加速します。

「もちろんですよ!!
 社長!
 ボクの顔を見てください!

 そう思って、ほら、
 丸メガネをして参りました!!」

 

社長様の顔の前に、ぬっと顔を突き出したアマダサンは、
のび太のような丸メガネ。


アマダサン、こんなの持ってましたっけ?
まさか、このやりとりがしたくて
今日のために丸メガネを仕込んで来たのでしょうか。

 

その日は、クライアント様の会社の
ホームページをリニューアルするため、
打合せにお邪魔していました。

その後もこんな会話が続きます。

「社長、この製品て
 まだ売ってるんですか?」

「あぁ〜その製品はね、
 いろいろ手間なんで
 あんま積極的に
 やりたくないんだよね」

「あ、そっすか。
 じゃあこのサービスは?」

「それもねぇ、、、
 需要が少ないから
 どっちでもいいかな〜」

「あ、そっすか。
 じゃあパッケージ製作の
 デザインの依頼は?
 受けるんですか?」

「まぁね〜、、、
 でもうち、
 デザインがメイン
 じゃないからな。
 あんまやりたく
 ないんだよねぇ〜」

「あ、そっすか。
 って、おいっっっ!(笑)
 ちょっとは
 やる気だせよ!!
 ジャイアン度たけぇな〜(笑)」

 

シビレを切らしてツッコミを入れています。
当然、社内はシーーーーンとしています。

いたたまれません。

するとアマダサン、ワタクシの方を向き

「おい、ゆるる!※
 あの社長、
 ジャイアン度たけぇよな?」

※最近ワタクシ(ユキ)のことを「ゆるる」と呼びます。
恥ずかしいのでやめてほしいです。
しかもよその会社の社内なのに

と、なぜかワタクシに水を向けます。
やめてほしいです。

返答に困っていると社長様が

「のび太〜。
 お前、本当に
 いじめられたいんだな(笑)」

 

と、話をまとめてくださったところに、
タイミング良く(?)、
アマダサンの携帯がけたたましく鳴りました。

社長様からの返しをぶった切って
携帯電話を耳にあてると、

「ハァ〜イ♪
 グッアフタヌゥーン」

(good afternoonをわりと発音よく)

と出る始末。完全に悪ふざけモードです。
そして、ひとしきりバカでかい声で喋ると、

「じゃあ次行きましょう」

 

と何事も無かったかのように進行しています。

しかし、そんなアマダサンの傍若無人さを
クライアントの社長様はお嫌いではないご様子。

本当に我が社はクライアント様に恵まれております。
アマダサンのペースでお仕事をさせてくださる、
器の大きな皆様のおかげです。

「会社のスローガン、
 提案書にあるキャッチで
 いかがっすか?」

「もうちょっとこう、、、
 サラッとしたいんだよね〜」

「サラッ、ですね。 
 じゃあ下にあるやつは?」

「いいんだけど、
 ●●って言葉じゃなく、
 もうちょっと
 シュッとしてるっていうか〜」

「シュッ、ですね。 
 じゃあ下にあるやつは?」

「クリエーションねぇ。 
 ションじゃない方が
 いいかなあ〜」

「ション、じゃないやつ
 ですね?

 それ!
 クリエイトって
 言うんだよ!(笑)」

 

という、ドキドキビクビクなやりとりをしつつ、
イメージに近いキャッチコピーを見つけるため
その場でみんなで考えました。

ワタクシも一緒に考えました。

やっとのことで「これだ!」という
会社のスローガンのワードが決定。

2〜3週にわたり続けて来た
このキャッチコピーに決着がつきました。

誰もが「ほっとした」と感じていると、
アマダサン、、、

アマダサンは、アマダサン流の言葉で、
ほっとした感想を述べています。

「ふぅ〜、、、。
 や〜っと便秘が
 治った感じだわ」

 

この案件が、まるで
うん●と言わんばかりの表現です。

普通の、まともな、大人なら、
クライアント先の社内では使わない表現です。

これに対し、社長様は

「なんだと〜!?(笑)
 俺はのび太の
 便秘薬じゃねえ!!」

 

と、ファイン・レシーブ。

その場ではドキドキしましたが、
こうして文章にまとめてみると、
このおふたり、ナイスなコンビネーションですね!

この打合せは、来週も行われます。

来週も失礼なことしか言わないことでしょうか、
どうか嫌われませんようにと祈るばかりです。

ひとしきり打合せがおわり、
ほっとしたのも束の間。

最後の最後にアマダサン、
ワタクシに向け、バカでかい声でこう言い放ちました。

「ゆるる〜、
 アウェーでも
 自分だして
 いこうぜ〜!!」

 

……………。

お前は出し過ぎだ。

丸メガネの演出通り、
もっとのび太キャラでいけ。バカモノ。

そして ゆるる は、やめろ。

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