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2020.11.6

#03うちのアマダサン「クライアント様、アマダの為におしり突き出し捜し物」

enpitsu

浅井 ユキコ

放送作家、コピーライター、編集・ライター

二十歳の時、放送作家事務所に所属し日本テレビ「高校生クイズ」などを担当。その後、活動領域を活字媒体に広げるべく広告代理店(株)エス・ピー・サービスに転職しコピーライターを学ぶ。さらに住宅雑誌では編集長を務めたことで、メディア(放送作家)、広告(コピーライター)、雑誌(編集・ライター)という3ジャンルに携わることができる異色の物書き。現在では自身が起業したライター集団(株)LOCOMO&COMOの代表と、社会貢献事業を行う一般(社)TERACO舎の理事を務めるなど、精力的に活動している。個人としては先祖代々ジャイアンツファンを語り、甲子園に行くために受験校を選択するなど大の高校野球好き。また、病院の病棟で看護補佐を行うなど何足ものわらじを履く意外性もある。

このブログを書くようになり、皆様から多くの反響をいただいております。
中でも多いコメントが
「社長をディスれるなんて、仲良くていい会社だね!」
です。

ちがいます。
ワタクシは、アマダサンをディスっているのではないのです。
むしろ尊敬しているぐらいです。
でも、正直申し上げると、少し……ぐらいはディスってるかもしれません。

間をとって、ディスリスペクト、とでも言っておきますか。

そんなアマダサンには、数々の武勇伝がありますが、
その中でも、ワタクシが鮮烈に覚えている出来事をお話しします。

 

最初に、アマダサンの特長からいきますね。

【アマダサンの特長】

アマダサンは、人が好きです

1人でいることは、まずあり得ません。平日でも休日でも誰かしらと一緒に居ます。
人が好きなのもありますが、究極のさみしがり屋なのかもしれません。

アマダサンは、もてなし好きです

キャンプに行っては、「この肉がいかに素晴らしいか」などを語りながら焼いて食べさせ、
オフィスでは、「このチキンをどれだけ煮込んだか」などを語りながら手料理を振る舞い、
ワタクシにもせっせと世話をやいて気遣ってくれるのですが、
最近では手作りの佃煮まで持たせてくれるようになりました。
それはちょっと違う気がしています。
「おかん」にしか見えない最近があります。

アマダサンは、サービス精神旺盛です

クライアント様をご招待して食事会をすることに対して、
アマダサンは「営業」と思わず、
親しい友人と行くような気持ちで、
いわゆる「接待」の場にでかけてゆきます。
なので、「接待」が「苦」ではないのです。
(毎日ちがった楽しい仲間と、年がら年中飲み会できる)、
ぐらいに思っているのでしょう、飲みの席ではめちゃめちゃ盛り上げます。

アマダサン、オモシロイです

正直、この方は「観察力」と「暗記力」がズバ抜けています。
なので、人の特長をとらえてものまねをすることが得意です。
言われた側は、自分のことであるにも関わらず「いいとこ突いてくるなあ!」
というところで笑いが起こります。根っこから芸人体質なのかもしれません。

 

そんなこんなで、
アマダサンと飲みに行きたいと希望してくださるクライアント様は、
ありがたいことに多い方ではないかと思います。

 

もう随分前のこと。
そうですね、会社が倒産の危機を迎え、
父親である先代社長から息子であるアマダサンにバトンタッチする、という
重要な局面を迎えている時代がありました。

もう、1社1社が収入口として大事。
ワタクシなど、担当者のお顔色ばかり見てしまうほど
綱渡り状態の日々を過ごしていたことがありました。

それなのに、です。

ある日のアマダサン、少々お堅い社風の企業様であり、
ご担当の方も非常に神経の細やかな……早い話が少し気難しい、
という方を含めた3〜4名の男性クライアント様を接待することがありました。

ワタクシもその案件の担当だった為、
アマダサンに食事会に出席するよう言われました。

ユキ、担当者の好みを知ることは大事。
今日の食事会、参加しなさい。


ごもっともなことです。
しかしワタクシはとても人見知りなところもあり、
しかも会社存続の為に重要な収入源であるクライアント様ですから、
粗相のないよう接せねばという緊張で楽しむ余裕などありません。

会のしょっぱなは、アマダサンは「それなりに」、
オトナとしての対応で会話を進め、お相手の様子を伺っているようでした。

しかし、

イケルぞ!


というセンサーが作動すると、一気に仕留めにかかります。

笑顔など、一度も見たことがないような
気難しそうなクライアント様に対して、

(頭皮がお禿げになっていることに対して)
「ヒカリもんか!」

「サバか!」

などと言いながら、頭をポカリ

 

漫才コンビのようなツッコミをするではありませんか。

Σ( °◇° )!!!!!!!!!

これは、えらいこっちゃです


ワタクシは、目ん玉ひんむいたまま硬直し、
そのまましばらく金縛りにあっていました。
おそらく呼吸も止まっていたように思います。

(おわったーーー)

 

これで明日、酔いが醒めたクライアント様からクレームが入ることでしょう。
こんな非常識で無礼なことをする会社とは、即刻取引中止。
そしてうちの会社は収入口を失って潰れるのです。

悲観的なことが走馬灯のように駆け巡っていました。
しかし、神っているものなんですね。
次の瞬間、奇跡が起こりました。

 

「太郎チャン!! 面白い!!(爆笑)」

 

本当ですか? 
貴方様は今、下請け業者から頭をポカンと叩かれましたよ?
どの辺が面白かったんでしょうか。
面白かったなら、なによりです。

どうやら切り抜けられたようです!!!!!


これを突破口に、味を占めたアマダサンは留まることを知らず、
店を出るや

「今日はたのしかったですね〜!
明日もたのしくいきましょう〜!」


などと、東京駅八重洲口中に響く、デッカイ声で叫んだかと思ったら、
続けざまに

「あ〜した天気になーーーあれ!」

と言って、片足を振り上げる動作をしました。

その瞬間、
履いていた靴がアマダサンの足から離れ、
ビルとビルの隙間あたりに
飛んで行ってしまいました!!!!!

 

一同、Σ( °◇° ) えっ!!!!! となりましたが、
先ほどの頭ポカンされたクライアント様、ゲラゲラ笑いながら

「もうーーなにやってんのよー
太郎チャーーン(笑)」


とスキップしながらアマダサンの靴の方面へむかって行き、
プリッとお尻を突き出して捜索活動をしてくださいました。

申し訳ないので、ワタクシも同様の姿となり、
共に馬鹿な社長の靴の捜索活動に乗り出しました。

しかし、怖いのは、今夜ではありません。
翌日、酔いが醒めたクライアント様は
今日のこの出来事をどう回顧するのでしょうか──(怖)

昨日はありがとうございました。
楽しかったですね! 
また行きましょう。
太郎チャン


そういうお礼のメールを頂戴しました。
日ごろ、よほど笑いに飢えていたのか、
うまくツボにはまってくれたようで助かりました。

それにしても、いつも、こんなです。
アマダサン、すごいです。
ディスリスペクトです。

結局、飛んでいったアマダサンの靴は見つからず、
翌日はどしゃ降りのひどい雨でした。

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