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2020.11.18

#05うちのアマダサン「アマダサンは何故、クライアント様に可愛がってもらえるのか」

enpitsu

浅井 ユキコ

放送作家、コピーライター、編集・ライター

二十歳の時、放送作家事務所に所属し日本テレビ「高校生クイズ」などを担当。その後、活動領域を活字媒体に広げるべく広告代理店(株)エス・ピー・サービスに転職しコピーライターを学ぶ。さらに住宅雑誌では編集長を務めたことで、メディア(放送作家)、広告(コピーライター)、雑誌(編集・ライター)という3ジャンルに携わることができる異色の物書き。現在では自身が起業したライター集団(株)LOCOMO&COMOの代表と、社会貢献事業を行う一般(社)TERACO舎の理事を務めるなど、精力的に活動している。個人としては先祖代々ジャイアンツファンを語り、甲子園に行くために受験校を選択するなど大の高校野球好き。また、病院の病棟で看護補佐を行うなど何足ものわらじを履く意外性もある。

ありがたいことに、お仕事を頂戴するクライアント様や、
スポーツイベントでお世話になる自治体の方、運営関係者など、
日々さまざまな方とお会いするアマダサンですが、
その先々で本当に可愛がっていただき、
お仕事以外でも楽しい時間を過ごさせていただいているようです。

しかし、アマダサンが特別だ、ということが言いたいのではありません。
同業である中小の広告代理店の社長様や営業マン様も、
懇意な間柄があるのは当然のことです。

ワタクシが驚いているのは、

デリカシーがないのに、
何故好かれるのか


という点に疑問を感じているからです。

会社が傾き、アマダサンが社長としてスタートした当初。
綱渡り状態の不安な日々を送っていた時代であっても
デリカシーだけは持とうとしなかったアマダサン。

なんなら媚びへつらってでもお仕事がほしい時代でも、
アマダサンはデリカシーを持ってはくれませんでした。

いや、デリカシーらしきものはあるんですよ。
相手を気遣うことが好きな人ですので。

そうじゃなくて、

放つ言葉に配慮がない


ことをワタクシは言っています。

 

こんなことがありました。

分譲マンションの宣伝用の広告制作でのこと。
不動産会社の担当者様は、
ギャグなどほぼ通用しないほど、
ていうかふざけたヤツが嫌いなほど、
真面目で神経質な方です


気を引き締めて取り組まねばならない案件ですので、
チラシの制作をするにしても相当の緊張感が走ります。

そんな矢先、そのご担当者様からお電話が入りました。

チラシの中に間違っている部分がある


という指摘のようでした。
あってはならないことです。
今一度しっかりチェックをしてほしいというお電話をいただいたのでした。

(お怒りではないだろうか。
この仕事を切られはしないだろうか)


なんとか気に入られて次のお仕事にもつなげたいと思うがあまり、
1回のミスが命取りになるのではないかとヒヤヒヤしてしまいます。

指摘の電話を受けたアマダサンは、制作したチラシを今一度、
入念にチェックしています。

そして、受話器をとりました。
先ほどのご担当者様にお電話をしているようです。

さらなるミスが見つかった為、
謝罪の電話をするのでしょうか!?


なんとも生きた心地がしません。

「アマダです。
 さっきご指摘があったチラシの件なんですけど」

「しっかり見てみたんです。
 そしたら、
 意外とちゃんと間違ってました!」


と、電話口でハキハキ堂々と喋ってました。

意外とちゃんと間違ってる………………。

自信満々に言っている風にも感じられ、
なんか自慢しているようにも聞こえます。

当然のことながら、クライアント様は不安に思ったのでしょう。
自分が赤ペンで書いた修正指示(それを赤字と呼んでいる)
のプリントを見せてほしいと要求していらっしゃるようです。

「なんですか? 赤字が見たいんですか?
 ああーそうですか」

「もういらないと思って、
 捨てちゃったんですよね」

「じゃあゴミ箱から拾って、
 後でお持ちします」


……………………………………。

えっ! Σ( °◇° )!!!!!!!!!
これは、えらいこっちゃです


なんて馬鹿正直な人なんでしょう。
普通に「すぐにお持ちします」と何故言えないのでしょう。

完全にクライアント様を
怒らせてしまったはず!!!!!!!!!


馬鹿社長のせいでこの発言が大問題へと発展し、
「あの会社はこんな重大なミスをした」、
「大事な赤字をゴミ箱に捨てるなんて神経を疑う」などと、
クライアント様の社内中で噂になることでしょう。

そしてうちの会社は仕事を失い潰れるのです。

顔面蒼白になりガクガクと震えがきているワタクシをよそに、
アマダサンの受話器のむこうから
大きな笑い声が聞こえました。

(え!? クライアント様、笑ってる?)


どういう訳か、
普通ではあり得ない局面を切り抜けたような感触が伝わります。
だって、アマダサンが完全に調子に乗ったことをほざいているからです。

「ゴミ箱見たら、
 僕のキッタナイ鼻クソがついた
 テッシュの下にありました」

「でもまあ、赤字は見れるんで」


などと言ってやがります。

ねえ、クライアント様、怒りませんか?
怒っていいやつだと思います。

そのあと、クライアント様自らが
「こっちの方に用事があったついでに」と、
アマダサンの鼻クソ付きの大事な赤字を取りに
弊社にお越しくださいました。

「太郎くんの鼻クソ、
 どの辺についてるの?」
(クライアント様)

「もうちょい下ですね。
 でももう乾いてると思うんで
 大丈夫だと思います」
 (うちのアマダサン)


あり得ないことが起こるのがアマダマジックです。
普通なら切り抜けられないことも、何故か切り抜けてしまう。

実は先ほども、どこのどなたとはお話できませんが、
かなり地位のある方とzoom(パソコンのオンラインで会議)をしており、
打合せが白熱した為、長時間に及んでしまいました。

その際、ご自宅にて打合せに参加していたクライアント様が、

「アマダさん、お話の途中ですみません。
 だいぶ暗くなってきましたので
 部屋の電気をつけに席を立ちますね」


とご丁寧に仰いました。
時刻はまもなく午後5時です。
たしかに薄暗くなっておりますので、
電気がなければお部屋の中はかなり暗いことでしょう。

するとアマダサン。

「えぇーーー! こんな暗いのに
 まだ電気つけてなかったんですか?」

「なんですか? ●●さんて
 前世コウモリだったんですか?」


その度ワタクシは、心臓がキューーーーーーッとします。

そんなアマダサンと、今日も会社の同じ空間で仕事しています。

長生きできるでしょうか?

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