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印刷物の企画制作事業社会貢献 2020.10.1
絵本『なす びびびのび』で、優秀賞を受賞
黒須 はるひ
グラフィックデザイナー、イラストレーター
大学では心理学科を選考し在籍中にデザイナーを志す。卒業後、さらに美大のデザイン学科に進学したことで、計8年間の大学生活を送る。当社ではグラフィックデザイナーとして広告デザインを手がけるほか、イラスト制作も担当している。個人としては、大学での専攻がプロダクトコースだったため、趣味で立体物の制作も。ボタンや食器といった小物から、家具のような大きなものまで取り組んでいる。今後の展望はペット用キャリーバッグを作ること。
弊社内には、グループ会社である(株)LOCOMO&COMOのライターと一緒に作った、絵本の製作プロジェクトチームがあります。
参加している数名のライターは、個々に企画を持ち寄り、みんなでアイデアを出し合って進めていきます。
最初に形になり、私が絵を描かせていただいた絵本が『なす びびびのび』。それがなんと第16回えほん大賞で優秀賞をいただいたんです!
ライター杉崎らしさが詰まった引き込まれるストーリーと、リズム感のある言葉。
その面白さを引き出すべく、小さな工夫をいくつか凝らしながら創作しました。
今回の絵本の対象年齢が幼稚園低学年の子どもたちということで、親近感を持ってもらえるよう、画材にクレヨンを選択。
子供が描いたようなタッチを心がけました。
個人的には使い慣れない道具で戸惑いもありましたが、ハッキリとした色を出すにはよい画材だったかなと今では思います。
実際手を動かしてみると、絵本を作るのは初めての経験という事もあり、分からないことだらけです。
そこで実際子どもを持つ親御さんや、幼稚園教諭の友人のアドバイスを受けながら進めました。
対象年齢の子供達は「細かい描き込みより、言葉の響きや第一印象に惹かれる」という話を参考に、絵もとにかく分かりやすさを重視しました。絵の案も複数出して、ぱっと見で違いがわかるものを採用しています。
「いぬ」と「いぬび」
「び」ってかわいいってこと?
文章の中には「いぬ」や「いぬび」について、どう違うのかという描写はありません。
そこであえて、いぬびを
「キラキラな目をし、フリフリの服をまとい、お城に住んでいるお姫様のような犬」
とバージョンアップ感を演出し、見た目で違いがでるようにと設定の面白さを表現しました。
実際子どもに読み聞かせをしてくれた友人からは、読み始めるなり子供達が笑ってくれた、「なす びびびのび」というフレーズを繰り返し言うようになった、など期待した通り楽しんでもらえたようです。
その他、細かいところですが、印刷時に白場ができてしまうなど通常の印刷物と違う点も多く、調整を必要としたところもあります。また近年のジェンダー意識の変化に鑑み、台所に立つ人の性別がどちらとも取れるようにしています
絵本チームの試行錯誤がつまった『なす びびびのび』。もし自分自身が携わっていなかったとしてもオススメしたい面白い絵本に仕上がっていると思っています。
ぜひ読んでいただけると嬉しいです!
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