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ライティング事業 2020.10.1
“もやし作家”が大好物のラジオ番組とは?
平原 健士
構成作家、ライター、脚本家
1982年4月10日生まれ A型 新潟県出身。日本大学文理学部 社会学科卒。 大学卒業後に青山のシナリオ・センターで脚本を学び、舞台脚本に携わる。映像脚本は「伊参スタジオ映画祭」と「函館港イルミナシオン映画祭」にて最終選考にノミネート。 現在は放送作家・ライターにも活動の分野を広げ、ラジオ番組、配信番組、WEB記事、雑誌などで執筆。オウンドメディアではSEO対策まで幅広く手がけている。 3児の父で妻は管理栄養士。家庭内では主夫として活躍中。
こんにちは。冷蔵庫で忘れられ、気付けばしんなり酸っぱい「もやし」の気持ちが分かる作家・平原です。
昔から家族にさえ「あれ、いつからいたの!?」と言われ、気付かれにくい私ですが、現在の放送作家・ライターの仕事はまさに天職。出演者や専門家の個性を邪魔することなく、ひたすら裏方として「面白さ」、「分かりやすさ」、「情報の正確さ」を追求することができます。目立たないからこそ邪魔者扱いされず、色々な現場に参加できるのです。
携わった数々の番組の中から、今回は特に思い出深い「玉川美沙 ハピリー」(文化放送)を紹介したいと思います。
「玉川美沙 ハピリー」唯一無二の魅力
ラジオをあまり聴かない人のために説明すると、「玉川美沙 ハピリー」(文化放送)は土曜朝のラジオ番組です。前身番組(玉川美沙 たまなび)から数えると、放送期間はなんと12年! 惜しまれながら2018年に終了した人気ワイド番組です。
パーソナリティーは“たまちゃん”の愛称で根強いファンを持つ玉川美沙さん。“オネエさん”というより、とっても頼りになる“アネゴ”という雰囲気で、私服はいつもジーンズにTシャツ、寒い時期は細身の革ジャンなど。凛とした姿がカッコ良く、番組後半から入った私にもメチャクチャ優しく接してくれました。ゲストへの気遣いも素晴らしく、「ホレてまうやろ〜〜!」と思わず叫びたくなるほどの男前っぷりです!
文化放送の各番組が参加する大型イベント“浜祭”では、来場者の前で相撲をとったことも。
満員の会場を盛り上げ、「たまちゃーん!」と大声援を浴びていました。
本番組の魅力は、多彩なゲストを招いてのトークコーナー。玉川さんがリスナーと同じ目線で「教えてください!」と質問してくれるので、どんなに難しいテーマでも分かりやすくお届けすることができます。
2017年4月の放送では、「もやし」を生産している飯塚雅俊さん(飯塚商店・代表)に来ていただきました。生で食べられるもやしなので、生えている状態からそのまま玉川さんに食べてもらうことに。「ウマっ!」と思わず声をあげていたのが印象的でした。
この放送回では、飯塚さんの著書を読ませていただいたのはもちろん、埼玉県・深谷市のもやし栽培所も取材。もやしの生命力に感銘を受けたと同時に、ブラックマッペ(黒豆)というもやしの美味しさに感動したのを覚えています。その後も、もやしの収穫を体験させてもらうなど、もやしの魅力にどっぷりハマってしまいました!
その他にも番組では以下のように多種多様なゲストが出演。
・スパイの研究者
・画廊の支配人
・渋滞の専門家
・SLの修復士 などなど
私にとって取材は大好物!毎回自分の知らない様々な世界を知ることができ、楽しい思い出が詰まった番組です!
特に後期(2017〜2018年)の放送では、毎回3時間にわたって一つのテーマを設定。
例えば、「さわる」ことがテーマなら、
7時台 「何を触るのが好き?」→街頭インタビューの内容を紹介
8時台 「さわり心地はどんなことを伝えられるのか?」→触覚の研究者が出演
9時台 「さわることは情報としてどれくらい価値があるの?」→化学研究所の研究員が出演
このように多面的な切り口で紹介していくため、リサーチ&企画提案はもちろんのこと、決定したテーマをスタッフで深掘りしていくのは、とても楽しく刺激的な作業でした!
ここまで一つのテーマにこだわって情報を発信できるのは、本番組ならではの魅力だと思います。他番組では実現が難しいのではないでしょうか。
出演した数々の専門家の中で特に印象深いのは、オノマトペ研究家の藤野良孝さん。
「音で人生が変わる!?」というテーマで、「オノマトペ」が持っている言葉の力について教えていただきました。
「ワクワク、ドキドキです!」とオノマトペを使いながら、「さかなクン」のようにカワイイ声で話す藤野さん。著書を元に電話取材し、生放送では次のようなことを話していただきました。
・怒りそうになったときには「スー・グッ・ハー」と唱える
・イライラしたら「トントントントン」と太ももをタップすると心が安定
・「早くやってくれる?」→「これパパッとやってくれるかな?」
・「今週もよろしく」→「今週もジャンジャンよろしくね」
実践的な内容にリスナーからの反響が高く、音声出演も含めると藤野さんは合計3回番組に出演。考えていた以上の盛り上がりで、本当に楽しい放送回でした!
オノマトペは本当に効果があるのか検証するため、私が生放送中に実践する場面も。
「かたいな〜!」と玉川さんに突っ込まれながら、体がガチガチな私が前屈。
最初は全然床に手がつかなかったのに、「ニャーーー」といいながら前屈すると、なんと床に手が!!
あえて事前検証をせず、ぶっつけ本番でやったので
「すげ〜!!マジっすか!!」と、もやし作家にあるまじき大声で叫んでしまいました…。
このように取材を活かしつつ、リスナーも自分も「楽しい!」と感じられる番組を作ることができたのは、現在につながる貴重な経験です。取材と生放送は私の大好物なので、これからもジャンジャン新たな出会いを期待しています!